【獣医師監修】犬の平熱は何度? 体温の測り方や、超注意の低体温や高熱について知っておこう

愛犬の平熱は何度くらいか、知っていますか? 病気や体の不調で、犬は体温が下がったり上がったりします。低体温や高熱は命に危険が及ぶ可能性もあるので、飼い主さんはぜひ、愛犬の体温の測り方をはじめ、犬の体温に関する知識を備えておいてくださいね。

【獣医師監修】犬の平熱は何度? 体温の測り方や、超注意の低体温や高熱について知っておこう
出典 : pixta_66883305

犬の平熱(平均体温)は何度?

犬の平熱(平均体温)は何度?

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犬の平常時の体温は38~39度の間が平均的です。
その範囲内で、子犬や小型犬はやや高く、大型犬や老犬はやや低い傾向があります。

犬の平熱が人間より高い理由に関しては様々な説がありますが、活動量の高い野生動物は体温が高いと言われています。
犬の近縁であるオオカミの平熱は、40度ほどあるそうです。

犬の体温はどこで測る?人間用の体温計は使用しても大丈夫?

犬の体温はどこで測る?人間用の体温計は使用しても大丈夫?

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犬の体温の測り方として一般的なのは、肛門に体温計を入れて直腸温を測る方法です。
動物用の体温計も市販されていますが、人間用の体温計でも計測できます。
体温を測っている途中で犬が動いてしまうと危険なので、家庭で行う場合は、人間用の体温計の中でも先端の素材が柔らかく曲がるものを使用すれば安心でしょう。

お尻に体温計を入れられるのを嫌がり、どうしても直腸温を測れない愛犬の場合、肢の付け根(内股)で測ることも可能です。
ただし、内股で測る場合は、人間用では口用の体温計ではなく脇の下用を使用したほうが正確な数値を得られやすくなります。

いずれにしても、愛犬に使用する体温計は、計測までの所要時間が短いタイプが使いやすいでしょう。

犬の体温の測り方

犬の体温の測り方

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愛犬の肛門で体温を測る場合、まずは愛犬をしっかりホールドして動かないようにしつつ、やさしく声をかけるなどして落ち着かせてあげるのがポイント。
そして、肛門の入り口からおよそ2.5~3.5㎝ほどのところまで体温計の先端を、ゆっくり入れます。
体温計の先端に便が付着することもあるので、汚れ防止用の専用使い捨てカバーをかけることと、体温計かカバーの先端に食用油などを塗っておくことをおすすめします。

内股での測り方は、横になって寝ている姿勢か、座ったり立ったりしている姿勢の愛犬の内股に体温計をしっかり挟み込み、計測完了音が鳴るまで動かないようにします。

耳で計測する体温計もあります。
ただし、犬は眠い時や運動後は耳が熱くなったり、外気温の変化ですぐに耳が冷たくなったりするので、正確な体温を知るにはやはり直腸温を測るのがベストです。

体温が高い場合、低い場合(低体温症)は?

体温が高い場合、低い場合(低体温症)は?

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犬の場合、運動後や興奮時などではなく平静時で39度以上の体温の場合は、熱があると判断できます。
犬の体温が高いケースでもっとも多いのが、熱中症。
高温はもちろんのこと、湿度の高い日の運動後に愛犬の呼吸が荒く、ぐったりしているようであれば、すぐに体温を測ってください。
39.5度を超えていたら、すぐに動物病院へ。
マイカーやタクシーが利用できる場合は、エアコンの温度を可能な限り低く設定する、濡らしたタオルに愛犬を包む、保冷剤で鼠径部などを冷やすなど、移動中の愛犬の体温の下げ方にもあらゆる工夫を施しましょう。

出産直前の母犬を除き、愛犬の体温が37.5度以下の場合も、注意が必要です。
犬の平熱には個体差があるのと、老化に伴って体温調節の機能が落ちてくると平熱も下がりがちになるため一概には言えませんが、愛犬の体が震えていて、体温が37度台前半以下であれば、低体温症の可能性があります。
低体温症のまま放置していると、命を落としかねません。
体を毛布にくるむなどして温めつつ、早急に獣医師の診察を受けましょう。
体温が低い状態で嘔吐などの別の症状も併発している場合、病気にかかっている可能性もあるので、いずれにしても体温が低いことに気づいたら動物病院の受診を。

犬の体温に注意が必要な時は? (風邪や出産など)

出産直前の母犬は、体温が平熱より2~3度下がります。
これは、生理現象なので問題ありません。
けれども、生まれたばかりの子犬は体温の調節機能が未発達のため、低体温症になり命を落とさないように温めることが重要です。

発熱を伴う犬の病気は多岐にわたります。なかでも、飼い主さんが発見しやすいのは、ケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)かもしれません。
犬風邪とも呼ばれるように咳が主な症状となる病気です。
もし犬がガチョウの鳴き声のような「ガーガー」という特徴的な咳をしていて発熱が見られる場合、ドッグランなどでほかの犬にうつさないように、早めに動物病院を受診して治療を行うようにしましょう。

まとめ

まとめ

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犬が落ち着いている状態の平均的な体温は、38~39度。
平熱には個体差があるので、定期的な健康診断などで愛犬の平熱を知っておけば、体調の異変に気付きやすく安心です。
自宅には、愛犬用の体温計(人間用も可能)を常備しておくのをおすすめします。

体温が39.5度以上ある場合は熱中症やその他の感染症などの病気、また37.5度以下の場合も低体温症や病気の可能性があるので、獣医師に早急に相談しましょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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