【獣医師監修】犬も車酔いする?車酔いになった時の症状と対策を解説!

犬も車酔いをします。車酔いをした際に現れる症状に早めに気づけば、早期に対処できて愛犬も早く治るでしょう。車酔いをした愛犬に飼い主さんがすべき対処法と、車酔いをしにくくなるような予防方法について解説します。知識を得て、愛犬と快適にお出かけを!

【獣医師監修】犬も車酔いする?車酔いになった時の症状と対策を解説!
出典 : pixta_41803105

犬も車酔いする?その原因とは

犬も車酔いする?その原因とは

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人間同様に犬の車酔いも、耳の奥にある三半規管に異常が生じることで起こります。
平衡感覚をつかさどっている三半規管が、乗り物に乗って揺られることで混乱し、バランスを保てずに自律神経が失調気味になり頭痛や吐き気などが現れるのです。

犬が車酔いした時の症状とは?

犬が車酔いした時の症状とは?

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犬が車酔いをすると、外見からは人間とは違った症状が最初に現れることが多いでしょう。

一つ目は、ハァハァと口呼吸をすること。
これは、犬がストレスを感じた時に現れるサインでもあり、気持ちが悪い状態がストレスになってパンティングをしていると考えられます。

ニつ目は、小型犬などで車内で立ち上がれる場合は、立ったり座席でウロウロしたりすること。
これも、すぐれない気分を改善しようとして行う行動だと考えて良いでしょう。

三つ目は、よだれを流すこと。
吐き気が起こってくると、前駆症状としてよだれを流す犬も少なくありません。

人間同様の初期症状のひとつが、あくび。
気持ちが悪くて生じる、いわゆる生あくびをする犬もいます。

それらの症状を経て、嘔吐、下痢、元気消失などの症状が現れます。

なお、車酔いと似ている症状が出現する病気に、熱中症があります。
車酔いで死亡することはありませんが、熱中症は愛犬の命を奪う危険な病気。
もし愛犬の体が熱いと感じたら、車酔いではなく熱中症かもしれません。
その場合は、車内の冷房温度を最低まで下げながらすぐに動物病院に向かってください。

犬の車酔いの対処法

犬の車酔いの対処法

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愛犬の苦痛を早く取り除いてあげるためにも、犬が乗り物に酔った時の対処法を心得ておきましょう。

車酔いの対処法①【車内温度を下げる】

冬に暖房をつけて車内の温度が高いと、余計に気持ちが悪くなりがちです。
愛犬に車酔いの初期症状が見られたら、ひとまず車内のエアコンの設定温度を少し下げてみましょう。

車酔いの対処法②【外気を吸わせる】

吐き気がある場合、外気を吸わせると愛犬の気分が多少すっきりする可能性があります。
ただし、窓の外に愛犬の顔が出ている状態は危険です。
鼻先が少し出る程度にとどめ、また窓の外に落下しないようにしっかり抱っこをしながら外気を吸わせてください。

車酔いの対処法③【車から降りる】

車酔いは、車の揺れが原因で起こるので、可能であれば車を停め、揺れのない場所で愛犬が回復するのを待ってあげましょう。

車酔いの対処法④【ツボ刺激】

車酔いを改善するツボ刺激も、対処法のひとつ。
乗り物酔い対策になることで知られるツボは以下のとおりです。
築賓(ちくひん):膝とくるぶしを結んだ線の中間の内側に位置。
ここを親指と人差し指で挟むようにして揉んであげてください。
耳珠(じじゅ):耳の穴のすぐ前にある軟骨の突起にある。
こちらも、指と指でつまんでやさしく刺激してあげてください。

車酔いさせないための予防方法

車酔いさせないための予防方法

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犬が車酔いしない方法を知り、それを実践すれば、愛犬と快適なドライブが楽しめるでしょう。

予防方法①【酔い止め薬】

愛犬が車酔いしやすい場合、事前に愛犬に酔い止めの薬を飲ませておくことも可能です。
酔い止めには眠くなりやすいタイプのものや抗不安作用を備えたものもあり、移動中のストレスを感じにくくなります。
必要に応じて、愛犬に合うタイプの酔い止めを事前に動物病院で処方してもらいましょう。

予防方法②【クレート】

愛犬を車内でフリーにしておくと、急ブレーキの際などに危険な上、揺れる車内でバランスを取ろうとして酔いやすくなるとも言われています。
また、頭を横にしたほうが、三半規管の働きが弱るため酔いにくくなることが知られています。
これらのことから、愛犬を車に乗せる際は、犬が中で体を横にできるクレートを利用するのが乗り物酔いの予防策にもなります。
クレートは、扉の位置が自動車の進行方向と同じ向きになるように固定すると、さらに酔いにくくなります。

予防方法③【アロマ】

吐く前やその後の対策として、ペパーミントの香りを嗅ぐと気分がすっきりとすると言われています。
人間ではペパーミントのガムや飴が乗り物酔い対策になりますが、犬にはガムなどはあげられません。
そのため、予防グッズとしてペパーミントのアロマオイルを持参し、ごく少量をティッシュペーパーなどにつけて車内に置いておくと、犬によっては車酔いをしにくくなるでしょう。

予防方法④【慣らす】

車に乗る機会が多ければ、車の揺れに対して三半規管が次第に慣れるため、車酔いをしにくくなる可能性が高いでしょう。
子犬の頃から車に短時間、特に用事はなくてもドライブを楽しみながら車に慣らしておけば、旅行などで車に長時間乗る際も酔わずに済むことが期待できます。

まとめ

まとめ

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犬も車酔いをすることを頭に入れつつ、なるべく予防対策をして、愛犬がドライブ嫌いにならないようにしてあげたいものです。
車酔いの初期に現れるサインも見逃さず、早期の対処で愛犬を苦痛から救ってあげましょう。
愛犬が旅行に行く途中で車酔いによって体力を消耗することを防ぐためにも、車酔い対策はしっかりと行っておくことをおすすめします。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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