【獣医師監修】畳の和室で犬と暮らすのは大変?その対策とは

愛犬と畳の和室で過ごすのは大変でしょうか?犬は畳の上では粗相をしがちです。さらに、畳をガリガリと引っ掻いたりすることも。飼い主さんにとっては問題行動となるこれらの対策方法について、知っておきましょう。そうすれば、旅行で和室の客室に愛犬と宿泊する際も安心です。

【獣医師監修】畳の和室で犬と暮らすのは大変?その対策とは
出典 : pixta_32770293

畳の部屋で起こる問題行動とその理由とは?

畳の部屋で起こる問題行動とその理由とは?

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犬は畳の部屋では、飼い主さんが困る行動をしがちです。

問題行動①【粗相】

犬は野生時代から、草むらで排泄をする習性があります。
そのため、畳など足裏が草むらに近い感触を得ると、そこが排泄場所として最適だと認識してしまうのです。
犬にとっては当然の行動なのですが、畳の上でおしっこをされると掃除も大変です。

問題行動②【引っ掻く】

地面を前足で掘ったり引っ掻いたりして寝床を整える犬も、少なくありません。
カーペットや毛布であれば、引っ掻いてもそれほど傷むことはないでしょう。
けれども、畳は引っ掻かれるとボロボロに傷んでしまうので困りものです。

問題行動③【食べる】

和室で犬を飼う際には、愛犬が畳を食べてしまう危険性もあると知っておいてください。
特に好奇心旺盛でなんでも口に入れようとする子犬期は、畳をかじり、そのまま食べてしまう恐れがあります。
運動欲求などが満たされずにいると、成犬でも退屈しのぎに畳をかじる可能性があります。
畳をなめる程度ならば問題にならず、食べても少量であればうんちで排出されますが、たくさん食べると胃が荒れて嘔吐や下痢の原因になるケースもあるので注意が必要です。

畳で問題行動を起こさせないための対策とは?

畳で問題行動を起こさせないための対策とは?

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犬を室内飼いする場合、部屋にどのような対策ができるかを知っておけば役立ちます。

畳の部屋での対策①【敷物を敷く】

愛犬と和室で過ごす際の対策としてもっとも簡単なのは、畳の上に敷物を敷くこと。
愛犬が引っ掻いても畳がむき出しにならない分厚いカーペットやラグが、引っ掻きや誤食対策に適しています。
畳で粗相をしがちな愛犬には、洗濯可能で裏面に滑り止め加工がされているような、マットタイプのペットシーツが便利でしょう。

畳の部屋での対策②【知育玩具を与える】

退屈した時のストレス発散行動のひとつとして、畳を引っ掻いたり噛んだりする愛犬には、畳よりも興味を引かれるものを与えましょう。
たとえば、おもちゃ内にフードを仕込める知育玩具であれば、愛犬がひとりで長時間遊ぶことで脳に心地よい疲労感を与えられ、良いストレス発散になります。

畳の部屋での対策③【トイレの場所を決める】

犬は本来きれい好きで、寝床の近くで排泄をしたがりません。
その習性を利用して、畳の部屋は寝床や心地よく過ごせる空間として認識できるように、畳敷きではない脱衣所や廊下に犬用トイレを設置するのがおすすめです。
犬は、起きた直後や飲食後が排泄のタイミング。
それを見計らって、脱衣所や廊下のトイレに連れて行きましょう。
そこで、あらかじめトレーニングで覚えさせておいた「ワンツー」などの合図で排尿をさせることを習慣化すれば、畳の部屋では粗相をしなくなるはずです。

畳の部屋での対策④【ペット用畳を敷く】

最近は、い草以外の素材で作られた畳も販売されています。
その中には、ペット専用畳や犬用畳として、抗菌はっ水加工をはじめ、愛犬の足が滑るのを防止する加工が施されたものもあります。
一軒家やマンションなどをリフォームするタイミングで、そうしたペット用の畳に張り替えるのも、和室でペットと快適に暮らすひとつの方法と言えるでしょう。

旅行で畳の部屋に滞在する際、ここに注意!

旅行で畳の部屋に滞在する際、ここに注意!

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ペットと泊まれる宿でも、最近は客室にペット専用畳を採用しているところが増えてきました。
もし、畳での粗相などが心配ならば、そうした対策が施されているホテルや旅館などを選ぶのも良いでしょう。

い草の畳敷きの和室に滞在する場合は、クレート、カフェマット、知育トイ、ペットシーツを活用して、愛犬の粗相やいたずらを予防してください。
飼い主さんが愛犬だけを客室に残して入浴や食事をする際は、愛犬にはクレート(ケージ)や客室に備え付けのサークルに入っておいてもらえば、畳を汚す心配はありません。
飼い主さんがいる間は、大きめのカフェマットの上を中心に愛犬に過ごしてもらい、排泄の失敗を防ぐためにペットシーツを広めに敷いておきましょう。

いずれにしても、日ごろから合図で排尿ができるようにしておけば安心です。
客室に入ったらすぐにトイレシーツを敷いて「ワンツー」などと排尿を促すと同時に、客室内のトイレの場所を覚えさせれば、その後は快適に滞在できます。

それでもマーキングなどが心配な場合に備えて、マナーベルトやマナーパンツも持参しておけばさらに安心です。

まとめ

まとめ

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犬は野生時代の祖先から受け継いだ本能として、草むらに足裏の感触が近い畳の上で、排泄をしがちです。
また、寝床を整える際に地面を掘ることも好きなので、畳の上を足先で引っ掻いてしまうかもしれません。
そうした行動への対策としては、敷物や知育玩具やペット用畳などのハード面と、トイレトレーニングなどソフト面でのアプローチがあります。
特に合図による排泄をマスターしておけば、旅行で畳敷きの部屋に滞在したとしても安心して過ごせるでしょう。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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