【獣医師監修】旅行で犬が下痢になる原因は?対処法も紹介

旅行中に愛犬が下痢になったときや、旅先から帰宅して下痢をしはじめたときに考えられる原因を知っていれば、飼い主さんも慌てずにすむでしょう。今回は、犬の下痢の原因について、対処法とともに紹介します。なるべく下痢をさせないように気をつけて、快適な旅を楽しみましょう。

【獣医師監修】旅行で犬が下痢になる原因は?対処法も紹介
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犬が下痢をする原因は?

犬が下痢をする原因は?

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多数の原因によって、犬は下痢になります。
精神的なストレスや冷えをはじめ、胃腸や肝臓や膵臓の病気、腹部の腫瘍、食中毒、細菌感染症やウイルス感染症、寄生虫感染など。
異物誤飲や誤食によって腸閉塞を起こした際も、下痢が症状のひとつとして現れます。
ふだんとは違う環境で過ごす旅行中や、旅行疲れで軟便や下痢をする犬もめずらしくありません。

旅行で犬が下痢をする原因①【車酔い】

旅行で犬が下痢をする原因①【車酔い】

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乗り物に慣れていない犬は、車をはじめ、船、飛行機などに乗ると酔ってしまい、その症状のひとつとして下痢や嘔吐をすることがあります。
マイカーでの旅行を計画しているのであれば、旅行前に何度かドライブをして愛犬を車に慣らしてあげるのをおすすめします。
乗り物が苦手な愛犬には、事前に獣医師に相談のうえ動物病院で酔い止め薬を処方してもらって飲ませるのもよいでしょう。
旅行中に愛犬が車酔いをしてしまった場合は、可能な限りドライブ休憩をして愛犬に外の空気を吸わせてあげるのがひとつの対処法です。

その他の車酔いについての対処法は、以下の記事もご参照ください。

旅行で犬が下痢をする原因②【ストレス】

旅行で犬が下痢をする原因②【ストレス】

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旅行中の下痢で多い原因は、精神的なストレスです。
いくら飼い主さんが一緒でも、ふだんとは違う環境で何日間か過ごすのは、愛犬にとっては緊張するもの。
たとえば、散歩中や宿泊先をはじめ、パーキングエリアや宿泊先のドッグランでは、顔見知りではない初対面の犬と接することになり、その緊張感や不安感から神経性の下痢を起こすケースが少なくありません。
旅行中、聞きなれない音などに警戒心や不安感を抱くこともあるでしょう。

旅先での神経性の下痢を予防するには、愛犬を迎えたら、あらゆるものに慣れる“社会化”に力を注ぎ、刺激に過敏に反応しないおおらなか気質を培いたいものです。

もしドッグランや客室などで愛犬のしっぽが股の間に入っている様子が見られたら、恐怖心を抱いているサイン。
愛犬に無理をさせず、ほかの犬や人との交流を控えたり、タオルをかけて視覚による刺激を減らしたクレート内で休ませたりして、なるべく安心できる環境を整えてあげましょう。

旅行で犬が下痢をする原因③【食べ物】

旅行で犬が下痢をする原因③【食べ物】

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旅行中の食事情が原因で、犬が下痢をするケースもめずらしくありません。

ひとつは、食べ過ぎによるもの。
非日常である旅行中は、多くの飼い主さんは愛犬におやつをあげすぎる傾向にあるようです。
おやつを含めて1日の摂取カロリーをオーバーしてしまうと、消化不良になって軟便や下痢を生じやすくなります。
朝ごはんや晩ごはん(総合栄養食)では、おやつ分のカロリーを引いたフード量を与えて、旅行中の愛犬の健康を管理してあげてください。
食べ物による下痢が疑われる場合、簡単に治す方法は、フードの給与量を減らしたり、1食だけ絶食させることです。
ただし、子犬や老犬は低血糖になりやすいので絶食はなるべくさせないようにしましょう。

宿泊先では、犬用のスペシャル手作りメニューが用意されていることもあるでしょう。
犬によっては、ふだん食べなれないものを口にすると、胃腸が刺激を受けて下痢をすることもあります。
ドッグフードの種類を急に変えても、常日頃から下痢をしない愛犬ならば問題は少ないかと思いますが、フードを変えると軟便や下痢をしやすい愛犬の場合、日常的に食べ慣れたドッグフードやおやつを持参するようにしましょう。

旅行で犬が下痢をする原因④【睡眠不足】

旅行で犬が下痢をする原因④【睡眠不足】

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いつもは好きなだけ寝ることができる愛犬も、旅先では飼い主さんのペースに合わせて動き回ることが多いのではないでしょうか。
ハードスケジュールな旅程では、愛犬は睡眠不足に陥って心身ともに疲弊してしまい、下痢を起こす恐れがあります。
また、慣れない宿泊先の客室で夜間、物音に過敏に反応して安眠できない場合も少なくありません。

犬は、成犬で1日合計12時間以上と、人間よりも多くの睡眠時間を必要とする動物です。
飼い主さんの都合で過密スケジュールを組まず、愛犬が安心して休息できる時間も確保するようにしてあげましょう。
精神的にデリケートなタイプの愛犬には、隣室や廊下の物音が聞こえにくい客室を備える宿泊施設を選ぶのも解決策のひとつです。

睡眠不足や疲労が蓄積していると、旅行から帰ってから愛犬が下痢をすることもあります。
とくに、回復力の衰えた老犬は帰宅後も下痢を繰り返す可能性が高めです。
帰宅後は愛犬をゆっくり休ませてあげてください。

旅行中の愛犬の下痢は動物病院に行くべき?

愛犬の下痢が旅行中に続く場合、飼い主さんも心配になるかと思います。
原則的に、愛犬が旅行中に軟便や下痢をしても、元気で食欲があるならば、上記の原因によるもので緊急性は低いと言えます。
けれども、元気がなく下痢を繰り返す、昼夜を問わず下痢が止まらない、下痢のほかにも複数の症状があるといった場合は、病気の可能性もあるので旅行中でも早めに動物病院へ。
受診の際には、水下痢やゼリー状などといった便の状態、排便回数、量、色、臭いなどをなるべく正確に獣医師に伝えられるように観察と記録をしておきましょう。

まとめ

まとめ

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犬が旅行中に下痢をする原因は多岐にわたります。
その原因と対処法を心得て、快適なおでかけを! 
下痢時のお手入れグッズとして、水のいらないシャンプー剤を旅行に持参すると便利です。

いずれにしても、旅行中に愛犬が下痢をした場合、脱水症状になりやすいので積極的に水分を摂らせるように心がけてください。

監修者情報

箱崎 加奈子(獣医師)

箱崎 加奈子(獣医師)

・学歴、専門分野 麻布大学獣医学部獣医学科 ・資格 獣医師、トリマー、ドッグトレーナー、アニマルアロマセラピスト ・職業 獣医師 ペットスペース&アニマルクリニックまりも ・所属団体、学会 一般社団法人女性獣医師ネットワーク(代表理事) ・著書(一部) 1 最新版 愛犬の病気百科 著者名: 愛犬の友編集部 編 2 愛犬をケガや病気から守る本 著者名: 愛犬の友編集部 編 ・職業上でのペットとの関わり 普段犬猫の診察をしています。 飼育放棄や動物愛護センター収容の犬猫の保護譲渡活動をしています。 ・飼っている動物 シーズー ・ペット歴 ハムスター、うさぎ、ハリネズミ、犬(シーズー、ヨークシャテリア) ・ペットへの想い 18歳でトリマーとなり、以来ずっとペットの仕事をしています。 ペットとその家族のサポートをしたい、相談に的確に応えたい、という想いから、トリマーとして働きながら、獣医師、ドッグトレーナーになりました。 現在は東京でペットのためのトータルケアサロンを経営。 毎日足を運べる動物病院をコンセプトに、病気の予防、未病ケアに力を入れ、気になったときにはすぐに相談できるコミュニティースペースを目指し、家族、獣医師、プロ(トリマー、動物看護士、トレーナー)の三位一体のペットの健康管理、0.5次医療の提案をしています。 プライベートでは一児の母。 愛犬はシーズー。 家族がいない犬の一時預かり、春から秋にかけて離乳前の子猫を育てるミルクボランティアをやっています ・ペットに関するエピソード シーズー2頭、ヨークシャの全部で3頭の多頭飼いをしていました。 2頭は天寿を全うし、今はシーズーの澪(みお)が1頭です。 動物を飼育する習慣のない家庭に育ちましたので、この仕事に就こうと決めた時に初めて犬を飼いました。 犬初心者からトリマー、トレーナー、獣医と、飼い主目線で自分の愛犬に必要なスキルを身につけました

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ライタープロフィール

臼井 京音 Kyone Usui

臼井 京音 Kyone Usui

フリーライター、ドッグジャーナリスト 【経歴】 日本文学を専攻しバックパッカーもしていた大学卒業後、旅行ガイドブックの編集プロダクション勤務を経て、フリーライターに。30代前半でオーストラリアにドッグトレーニング留学をしたのち、現在はドッグジャーナリスト。 2007年から2017年まで東京都で“犬の幼稚園Urban Paws”の園長&家庭犬トレーニングインストラクターとしても活動。 東京都中央区 動物との共生推進員。 【執筆歴】 小学生時代から愛読していた雑誌『愛犬の友』をはじめ、多数の書籍や媒体で犬をはじめペットに関する執筆活動を行う。Webサイト「ニッポン放送ニュースオンライン」にて『ペットと一緒にby臼井京音』連載中。 著書:タイの犬の写真集『うみいぬ』、『室内犬の気持ちがわかる本』 これまでの執筆・編集歴は、毎日新聞の「臼井京音の幸せ犬ぐらし」連載コラム、AllAbout「犬の健康」、『週刊AERA』、季刊誌『BUHI』、書籍『フレンチブルドッグ生活の家計簿』、書籍『きみとさいごまで』、書籍編集『愛犬をケガや病気から守る本』、書籍編集『最新版 愛犬の病気百科』など。 【ペット歴】 小学生時代からシマリス、カメ、ミジンコ、カエル、ハムスター、メダカ、最初の愛犬ヨークシャー・テリアなどと生活し、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。 室内外で保護犬やブリーダーから迎えた犬を多頭飼育していた祖父母や、獣医師の叔父、シャム猫を溺愛していた祖母の影響で、生まれた時からずっと動物に囲まれてきました。人と動物のよりよい関係を願い、日々取材と執筆を行っています。

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